1. 老後資金とは?
10年ほど前のサラリーマン時代、お昼休みに保険のセールスが来て、パンフレットを見せながらこう言いました。
「老後には夫婦で毎月最低22万円、そしてゆとりある暮らしには38万円が必要です。今から備えておきませんか?」
保険に入らせるためのパンフレットですから多少大げさな表現をしているのでしょうが、そういうことだそうです。
仮に老後を20年として計算してみると、最低5280万円、ゆとりある暮らしでは9120万円もかかっちゃいます。(そもそもゆとりある暮らしって何よ?最低よりも16万も高いって、毎月ツアーの海外旅行でも行く気か!?と突っ込みたくなりますが。)
今の暮らしでもそんなに貯金できないのに、それにプラスして老後のために5000万とか、そんなん無理じゃねーか?
2. 暮らしがお金に依存している現代社会
世界には、少数派ながら、まだお金を使わずに暮らしている地域、民族、文化が存在しているようですが、ここ日本においては、そんな人はほぼゼロに等しいでしょう。
暮らしを考える時に、生活費を考えるのは、当然です。
お腹がすけば外食をし、どこかへ行くのに電車、タクシー、車(ガソリン)を使う。体調崩せば病院に行き、ストレスが溜まればそれを発散すべく、飲みに行ったり遠出したりイベント参加したり。そもそも毎日寝るのにも、家賃やローンといったお金がかかっているわけです。
あらためていう必要のないくらい当たり前のことですが、こんな暮らしを、お金に依存した暮らし、「依存的暮らし」と呼ぶことにします。
依存的暮らしでは、暮らしがお金でできている、つまりは生きるのにお金が必須であるため、お金の有無は命に直結する、そのため、お金が無くなることを極度に恐れたりするわけです。
3. お金に依存しすぎない「自立的暮らし」とは?
その依存的暮らしに対して、「自立的暮らし」という暮らしがあります。
家は自分でセルフビルド、食べ物は家庭菜園で自分で作る。必要な電気は太陽光で自家発電をして、水は山の湧水を飲む。ご近所さんとの仲が良くてしょっちゅう一緒にご飯を食べたりするから、何か困ったときにはご近所さん同士で解決する。そんな暮らしでストレスはそもそも溜まりにくいから、ストレス発散に使うお金も必要ない。
そんな暮らし、「日本でやってるやついるか!?」と思われるかもしれませんが、これ、我が家の暮らしですw
詳細はこちら「パーマカルチャー研究所」のホームページで紹介しています。
暮らしにかかるお金が全くのゼロというわけではないですが、お金に依存しすぎないこんな暮らしを、「自立的暮らし」と呼んでいます。
4. 自立的暮らしが老後資金の代わりに
暮らしにかかる多くの部分を、お金ではなく自分の手で作り上げるため、お金に頼りすぎる必要がない。そして、自分ではできない部分も、ご近所さんや地域、あるいは友達にお願いしてやってもらう。
結果、老後資金が少なくて済む、というのもまああるのですが、それ以上に重要な部分が、こういう暮らしから得られる人との関係性です。
幸福感というのは、こうした人との良好な関係性によって得られます。
多くのお金と、それによる便利さ・快適さだけでは、こうした幸福感は得られません。
核家族化や地域社会の崩壊により、孤独感が生まれ、寂しさ、人とのつながりの薄さや不安を感じる、それらをお金によって解消しようとする、そうした依存的暮らしをしている限りは、お金の不安からはいつまでたっても解消されません。
ですから、今からほんの少しずつ、できるところからでも、自立的暮らしにシフトしていくことが、老後の資金を蓄える以上に、大事なことになっていきます。
結論:老後資金を蓄えるかわりに、自立的暮らしを目指しましょう
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